ウェルビーイングが求められる時代の変化とは

2023年01月11日

令和5年が始まり,幸せな希望に胸をときめかす人も多いのではないでしょうか。新年にウェルビーイングが求められる時代の変化について考えてみました。


日本人の幸福のイメージの変化

わたしたち日本人の幸福のイメージは、どんなものでしょうか。一昔前のバブル時代なら,高級なものを身につけて,高級なレストランで贅沢な食事をすることが幸せだと思っていた人が多かったでしょう。経済成長を体感し,不動産や株価も急激に上昇,世の中にはお金が溢れかえっていた時代とも言えます。しかし,バブルは崩壊し,そのまま日本は停滞の一途をたどりました。この過程で,幸せとはいったい何なのか,問い直す人が増えたことは間違いありません。幸せとは,日々の小さな出来事の中にあると考える人が増え,年収よりも仕事の意味や自分の個人的な生活の充実を基準に仕事を選ぶ人も増えています。

こうした変化につれて,次第に社会の多様化が進み、わたしたちの価値観や働き方,生き方の選択肢も次第に増えていきました。転職もいまでは当然となり,副業や起業もとても身近になりました。


世界経済第一主義からの変化

これまでは,世界中が「経済成長」だけ価値をおき,その経済的指標が幸せを測る唯一の物差しだったと言っても過言ではありません。GDPやひとりあたりの年収のアップを追求することが重要で、逆に,精神的なものや,いわゆる経済合理性がないものは軽んじられてきたのです。

その結果、弱い立場の人々から労働搾取した結果,異常なまでの大量消費大量生産の流れを止められなくなりました。そして,貧困や格差はこれまで以上に拡大し、結果として,人権侵害や環境問題の悪化など、まさに,人類の経済第一主義の負の遺産が大きく私たちの日常を覆っている状況です。これまで目をつぶってきたことに,直面しているといっていいでしょう。


様々な研究結果

ノーベル経済学賞受賞者のダニエル・カーネマンがアメリカ人を対象に行った,幸福と収入に関するリサーチは人々に衝撃を与えました。それは、年間所得が7万5000ドル(約900万円)を超えると、それ以上金額が増えても,日々の幸福感は高まらない結果です。


また、ブリティッシュコロンビア大学のエリザベス・ダン准教授とハーバードビジネススクールのマイケル・ノートン教授の共同研究でも似たような結果が得られています。つまり,年収が2倍になっても、人々の幸福度はわずか9%しか上昇しないというのです。
このようなさまざまな研究からも、経済成長や収入の増加が,必ずしも人々の幸福と直接リンクしないという事実が明らかになってきました。まさに,幸せとはいったい何なのか,世界全体が問いを立てるようになったと言っていいでしょう。


グレート・リセットとは

そして,2021年、世界経済について最新の課題意識を知見を共有する最大のカンファレンスである世界経済フォーラム(ダボス会議)は「グレート・リセット」をテーマに掲げました。

ダボス会議の創設者でもあるクラウス・シュワブ会長はこう宣言しています。

「世界全体の社会経済システムを考え直さねばならない。第2次世界大戦後から続くシステムは環境破壊を引き起こし、持続性に乏しく、もはや時代遅れの産物となった。
われわれは人々の幸福を中心とした経済に考え直すべき時代がやってきたのだ」
このような,考え方の変容を「グレート・リセット」で呼び,つまり,

「人間らしさの見直し、心身の健康(ウエルビーイング)」を基準として,すべての政策や企業の決定が行われるべきだと宣言したのです。大変意味深いことです。


わたしたちひとりひとりも,自分にとっての幸せは一体何なのか,ウェルビーイングとはどういうものなのか,新年に改めて問いを立てながら,幸せな時間を過ごしていきたいと思います。



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