やる気が出ないとき・・・ウェルビーングコーチングのための自己効力感を高める4つの働きかけ

2023年01月19日

クライアントが目標をもって何かを始めても、どうしてもやる気が続かない、そんな経験はありませんか。クラアントに限らず、私たち自身も何かを続けて努力することが難しい時もあります。決めたことが続かないと自己否定的にもなり、ウェルビーングな状態から遠のきそうになります。ウェルビーングコーチとしては、どうやったら持続的なやる気が続くのかを知っておきたいところです。そこで、今日は心理学者のバンデューラから4つの方法を学びましょう。

自己効力感とは

自己効力感とは、「自分にはやり遂げる力がある」「自分だって、やればできる」といった自分に対する健全な期待感のことを指します。自己効力感が高ければ、いろんなことにチャレンジしたり、自分を信じて受容しながら成長を続けることができます。つまり、ウェルビーイングな状態に近づいていく扉ともなります。

この概念を提唱したのは心理学者のバンデューラです。バンデューラは、その人の行動は、その人自身が持つ認知の仕方によって決まると考えました。

つまり、やればできると考えている人は、新しいことや難しい壁に出会っても、前向きに自ら取り組むことができるのです。

一方で、どうせ自分にはできない、無理だと最初から考えてしまう人はやる気が出ず、行動に移すことができません。

このように、人がもともともっている認知に働きかける方法もありますが(例えば認知行動療法)、それとは別に、コーチセッション中のコーチによる問いや働きかけ次第では、クライアントの自己効力感を高めることも可能です。

自己効力感にアプローチする4つの方法 

コーチからクライアントに対する働きかけで自己効力感を高めるには主に4つの方法があります。

1 承認の言葉をかける

・〇〇さんならきっとやり遂げられると思います。
・私は〇〇さんはとても信頼できる人だと感じています。

などとコーチからはっきりと言葉をかける方法です。

コーチングのスキルでいえば、承認や主観的フィードバックにあたるでしょう。他者からの真の励ましの言葉は、クライアントを支え、自己効力感を高めることに繋がります。


2 過去の成功体験を引き出す

・これまでに、ご自身で苦労したことはありますか
→それは、どうやって乗り越えられたのですか

これは、まずクライアント自身が持っている過去の努力や乗り越えた体験をたずね、言語化してもらうことから始まります。

コーチングでいえば、質問の中で過去のリソースをたずねる技法に該当しますね。
(*また、当ウェルビーングコーチングプログラム、アドバンスクラスで学ぶブリーフセラピーのコーピングクエスチョンとも類似しており、ほぼ同じ効果が得られます。)

過去の自分自身の努力や乗り越え体験は、その人の素晴らしい宝物であり、リソースです。このことをあえて問いに出して、言語化による再認知を起こし、自己効力感を感じてもらうという手法です。

3 小さな成功体験を積み重ねてもらう

・目標に向けてまずできそうなことから始めてみませんか。
・一番小さな1歩は何でしょうか。

自己効力感をはぐくむのに最も効果的な方法は、とにかく本人が小さな行動を起こし、それがうまくいったという体験を持ってもらうことです。

コーチングでいえば、最初の一歩を決める際にベイビーステップを大事にし、きちんとその行動を決めること。
そしてその一歩を確実に進められるように具体的に行動を支援していく技法です。

コーチとしては小さいけれども大切な意味をもつ行動を起こすために、その第一歩をクライアントさんと一緒に決めてそれを行動に移すように精一杯支援しましょう。
その積み重ねは、必ずクライアントの大きな自己効力感につながっていきます。

4 他人の成功を代理体験する

・そういえばこんな方法でやってみたらうまくいった人がいたそうですよ。
・確か、その工夫で良い効果が出たと聞いたことがあります。

自分だけでなく他の人の成功体験を体験したり聞いたり見たりすることも、本人の自己効力感を高める効果があります。
他人の経験を見聞きすることで、もしかしたら自分にもできるかもしれない、という新しい視点が得られるのです。
尊敬する人の努力の歴史(偉人伝)や冒険漫画を読むと、自然と勇気が湧いてくる現象と同じですね。

なお、このような働きかけをする場合、コーチとしては、「こうやったら絶対うまくいきますよ」「あなたもそれをすべきです」といった指示や命令言葉は避けましょう。もちろん、コーチ自身の自慢話になってもいけません。

あくまでこんなケースもあった、こんな人もいたかもしれない、などの例え話風の「提案」として
クライアントさんに受け入れやすい形にするのが良いでしょう。

なお、提案の前には、「ひとつお話ししてもいいですか?」と許可をとること。
そして、提案のあとには、それが無理強いではないことをクライアントに理解してもらうことにも配慮しましょう。

まとめ

目標をしっかり持つクライアントでも、時にはやる気や自己効力感が下がるときもあります。
そんな時こそ、安定してクライアントを支えていけるのがウェルビーイングコーチの関わり方です。クライアントの自己効力感を高めるに、この4つの方法をぜひ試してみてください。
クライアントの状況や気持ちに合わせ、丁寧にクライアントに向き合いながら
本来もっている力を引き出すような働きかけを心がければ、きっとウェルビーングコーチとして良い支援ができるはずです。



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